ニューヨーク近代美術館(MoMA)が開催したローコスト家具デザイン国際コンペ(1948年)のためにデザインされたチャールズ&レイ·イームズの代表作、シェルチェアーシリーズのジェネリック·プロダクト
ミッドセンチュリー期のモダンデザインを語る上では外せないこの象徴的なアームシェルチェア(DAR)は、オブジェとしての存在感のみでなく、家庭やオフィスなど幅広いシーンでその機能を発揮し、当時から現在に至ってもなお、不朽の名作「イームズシェルチェア」として世界中の人々に愛され続けている
オリジナル発売当初のFRP素材に代わり、軽量で耐衝撃性に優れたPP(ポリプロピレン)を採用した背·座一体成形のシェルで、当時のデザイン、快適な座り心地を守りつつより良い機能性を追及した
また、PPは環境負荷の少ない素材として、地球環境保護の点でもより優れている
座面手前のフロントエッジには血流を圧迫しないよう緩やかな傾斜をつけ、背もたれは適度な柔軟性で加重とともにしなり、オリジナルデザイン当初からのこだわりの座り心地をそのまま再現している
そしてアームシェルチェア特有のゆったりとした深さ、身体を包み込むような肘掛のラインもまたそのこだわりのひとつ
アームシェルチェアの中でも、機械的な印象のシェルに複雑に絡み合うロッドワイヤーベースを組み合わせたDARは、鮮明な存在感を放ち、都会的でモダンな空間によりマッチする
また別名エッフェルベースとも呼ばれ、パリのエッフェル塔に多くの人が思いを馳せるように、どこか愛着のわくデザインが魅力